【投資初心者 #3】オルカン?S&P500?
前回は、信託報酬0.2%未満の投資信託を買おう!困ったらオルカン(eMAXIS slimオールカントリ)かS&P500(eMAXIS slim 全米株式S&P500)を買おう!というお話をしました。
今回は、オルカンとS&P500の違いや、どちらを買うべきかお話しようと思います。まずはオルカンとS&P500の比較をします。
オルカンとS&P500の比較
・オルカンの特徴
・全世界の株式市場の値動きに連動する投資信託
・約3000銘柄で構成され、世界の時価総額の約85%をカバー
・時価総額加重平均(大きい会社の株の割合が多い)
・信託報酬は0.05775% (安い!)
・S&P500の特徴
・アメリカの株式市場の値動きに連動する投資信託
・約500銘柄で構成され、アメリカの時価総額の約75%をカバー
・時価総額加重平均(大きい会社の株の割合が多い)
・信託報酬は0.093% (安い!)
オルカンの国別構成比率を確認してみると、アメリカが60%を占めていることがわかります。(下図参照)
つまり、オルカンで世界全体に分散投資したつもりでも、実態はアメリカ株(S&P500)をメインで買っていることになるのです。
オルカンとS&P500はともに時価総額加重平均という方法で銘柄の割合を決めています。上位の銘柄を確認してみると、ほとんど同じことがわかります。(下図参照。左がオルカン、右がS&P500)
つまり、オルカンで世界全体に分散投資したつもりでも、実態はアメリカ株(S&P500)をメインで買っていることになるのです。
オルカン(ACWI)とS&P500(VOO)の6カ月チャートを確認してみます。オルカンとS&P500が同じようなチャートになっています。
もうお気づきだと思います。オルカンとS&P500はどちらを買っても大差がないのです。大差がない、という前提を置いた上でもう少しオルカンとS&P500を比較してみます。
オルカンとS&P500の勝敗
上述したようにオルカンとS&P500は大差がありません。
しかし、長期で見るとオルカンとS&P500では成績が異なります。
オルカンのほうが良い成績を出している期間もあれば、逆もあります。
具体的に見てみましょう。
このグラフは世界の株式のシェアを表した物です。
まずは1918-1930の期間(手書きの赤丸)に着目してみましょう。
この範囲はUSAのシェアが大きく増えています。
つまり、S&P500が良い成績を出している(オルカンのほうが悪い成績となっている)ことを意味します。
次に、1970-1990の期間(手書きの青丸)に着目してみましょう。
この範囲はUSAのシェアが大きく減っています。
つまり、S&P500が悪い成績を出している(オルカンのほうが良い成績を出している)ことを意味します。
赤丸と青丸は同じぐらいあります。
つまり、直近100年間を見ると、オルカンとS&P500は買ったり負けたりしているのです。
この先、10年もしくは数十年後に赤い丸が来るのか?それとも青い丸が来るのか?どちらだと思いますか?そのカギを握るのは中国とインドです。
補足)
世間ではオルカンとS&P500のどちらが良いのか?という論争が盛り上がっています。「S&P500のほうが良い成績を出しているからS&P500を買うべきだ!」という論者は、直近10年(2013-2023)しか見ていないと思われます。
アメリカと中国とインドの将来性
ゴールドマンサックスが面白いレポートを出しています。(https://www.goldmansachs.com/japan/insights/pages/path-to-2075.html)
上図はレポートから抜粋した図ですが、2075年には中国、インド、アメリカの三大経済圏となります。
現在のアメリカ独壇場は2075年には終わっていることがわかると思います。
2023年は、S&P500がオルカンに占める割合は60%程度ですが、2075年には30%未満まで落ちること(つまり、S&P500よりオルカンのほうが良い成績となる事)がわかると思います。
2075年だと未来すぎるので10年後の2035年あたりを確認してみましょう。
アメリカは中国と同等になり、インドはアメリカの40%ぐらいまで急成長しています。
こういうレポートを見てしまうと、10年以上の投資であればS&P500よりオルカンのほうが良さそうだな、と思ってしまいますよね。
本日のまとめ
オルカンとS&P500は大差がない。
超長期(20年以上)で保持するならオルカンのほうが良さそう。
次回は具体的な購入方法についてお話しようと思います。⇒次回の記事はこちら
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