【為替QA #1】米国金利はどのように決められているの?
【為替初心者 #2】数年後のドル円は?で「FRBが米国金利を決めている」というお話をしたところ、「FRBはどのような考えで米国金利を決めているの?」というお問い合わせを頂きました。
今回はFRBの考え方についてお話しようと思います。
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中央銀行の役割
中央銀行(米国FRB,日本銀行)が金利を操作する目的は下記2つです。
・物価の安定(通貨の価値の安定)
・雇用の最大化(失業率を下げる)
まず物価の安定についてお話しますね。
パンを1ドルで買えるとします。
翌月にドルの価値が下がってしまい、パンの値段が2ドルになったらどうなりますか?(つまりインフレですね。)
困ってしまいますよね。
中央銀行は、通貨の信頼を維持するために、物価大きく上下しないようにしたいのです。
物価の大小を表す指数としてはCPIが使われます。
下図がアメリカのCPIです。(https://diamond.jp/zai/articles/-/1024826)
2%が理想的です。
2022年は9%まで上がって、アメリカは困ってしまいました。
次に雇用の最大化についてお話します。
これは簡単ですね。失業者が増えると困るので、失業率を下げたいのです。
目標値は4.0%。
アメリカの失業率は下図の通り。
コロナの時(2020年)は爆増していますが、今はちょうど良いですね。
金利操作で、物価と失業率をコントロール
現在、米国では物価高(インフレ)であり失業率は十分低い状態です。
そのため、金利操作でインフレ退治をしています。
金利を上げると、みんながお金を借りにくくなります。
そうなると国内の通貨が減りますので、通貨の価値が上がります。
インフレが抑制されます。(下図参照)
しかし、金利を上げると、企業がお金を借りにくくなるため経営が苦しくなります。
リストラが進み、失業率が上がります。(下図参照)
失業率にはまだ余裕があるので、インフレ抑制のために米国は高金利になっているのです。
しかし、高金利を長期間維持していると失業率が悪化しすぎる可能性があるため、FRBはアメリカ国内情勢をよく見て、適度なタイミングで金利を下げて、失業率が悪化しないようにするのです。
下図は金利予測です。2024/1は5.25%の金利ですが、2024/12は3.75%まで下がる予想です。失業率悪化が怖いので、長期間高金利を維持できず、少しずつ金利を下げるシナリオです。
まとめ
アメリカの物価(CPI)と失業率を見ると、アメリカの金利がわかります。
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