山崎元 がんになってわかったお金と人生の本質
山崎元先生が亡くなる数日前まで執筆されていた本「がんになってわかったお金と人生の本質」を読みました。
残りの寿命が刻々と減っていく局面で、限られた時間を有効に使う姿には感銘を受けました。
気になった箇所のメモを残しておきます。
第1章 癌患者と投資初心者は似ている
情報に溢れている世の中では、取捨選択が重要。
「特別な治療をして癌が治った」という話もよく聞くが、ほとんどがN=1の事象。
(N=1とは、成功例が1例しかない事。)
N=1の情報は捨てるべき。
Nが多い情報に絞って情報入手すべき。
つまり、成功例が多い情報を信頼すべき。
という話になります。
成功例が多い治療は保険適用となるため、保険適用外の治療(先進治療など)は不要という考えにもつながります。
これは癌だけでなく投資も同じ。
ちゃんとデータが揃っていることを確認すること。
第2章 がん保険はやっぱり要らなかった
日本国民全員が加入している国民保険があれば、がん保険は不要。
(民間の癌保険は不要。)
癌の支出は約14万円で済んだようです。
第3章 癌になって分かった、どうでもいいことと大切なこと
物を捨てたエピソードが共感できた。
本や服など、「いつか使うかも」と思っている物は、思い切って捨てるべき。
また買えば良い。
自分が書き込みをした本やノートなど、買えない物は捨てずに残すと良い。
第4章 山崎式・終活のセオリー6箇条
お墓は撤去。
今の時代、お墓は負担も大きく、墓じまいはどこかの世代でやるべき。
子供たちに負担をかけないためにも早めに墓じまいをやるべき。
「親の最晩年にあっては、親について子供が適切だと思う処置を決めて、親はそれに従う」
これには非常に納得。
子供に負担をかけないため、子供に決定権を移譲するのは良い考えだと感じた。
第5章 お金より大事なものにどうやって気づくか
お金は増やし方より使い方こそ大切。
年を取るにつれ、お金を使う能力は衰える。
物ではなく経験にお金を使うべき。
最終章 癌の記・裏日記
亡くなる数日前までの日記。
スティーブジョブズの「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか?」
と語った有名な講演がある。
山崎元先生は、最後まで執筆をされていて、この言葉を体現できていた。すごい。
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